NNA(2004/06/21)

日本語能力の高さで知られる大連市。最近特に注目を集めているのが、日本語とIT知識の両方に通じた人材だ。IT企業の相次ぐ進出で需要が急増し、市を挙げての人材育成ブームが盛り上がる。その一方で、「中国人の日本語人材を雇うより日本人の中国語人材を育成したほうが得」という逆転の発想を試みる企業も登場した。

■深刻な人材不足:
大連はもともと歴史的な背景もあり、日本語教育が盛んな都市。優秀な通訳をみつけやすいことが、日本企業を誘致するうえでのセールスポイントにもなってきた。加えて同市は、全国5ヶ所の国家レベル「ソフトウェア輸出基地」の一つに指定されるなど、ITが基幹産業の一つとなっている。優秀な日本語人材、整備された投資環境を求めてIT企業が相次いで進出。IT産業基地「軟件園(ソフトエェアパーク)」には松下、アルパイン、オムロンなどがR&Dセンターを設け、GE,IBMなど多くの外資系も大連を日本向けアウトソーシングの拠点と位置付けている。GE,デルなどは日本語コールセンターを大連に置いているほどで、大連では日本語IT人材がまさに旬といったところだ。

ただ、日本語はできても、ソフトやコンピューターの専門知識まで持ち合わせた人材は少ない。逆にITに通じた人材は、英語ができても日本語はさっぱりといったケースがほとんど。企業の求人は増える一方でも、供給は全く追いついていない。

こうした現状を背景に、ソフトウエアパークに今年3月、日本語IT人材の専門育成センターが誕生した。中国ソフト最大手の東軟集団(ニューソフト)が出資する「東軟日語IT人材培訓中心」だ。...略...

■日本企業はビジネス文化を重視:
同センターに限らず、大連では日本語の学習熱が高まっている。だが、いくら日本語のレベルが上がり、コンピューターの基礎知識がついても、日本企業が求めている能力はそれだけではない。日系を中心とした外資企業への人材紹介を行っている大連環球人材顧問有限公司の謝世昌総経理は「日本語人材に期待して進出してきた企業が、イメージと現実のギャップを感じることがある」と指摘する。同社に登録する日本語人材は確かに増えてきてはいるが、企業から「語学力はあっても、日本の企業文化を理解していない」との声が出ていることも事実だ。このため同社では、今年から企業社員向けの研修業務をスタート、安達ゆみ子副総経理が中心となり、あいさつや電話の対応といった、基礎的な日本のビジネスマナーを現地スタッフに教育している。

■逆転の発想:
一方で、日本語人材を雇用する上でのこうした難しさを、アクロバティックな方法で解決しようと試みる企業もある。...略...日本の顧客からの問い合わせに対し、電話、メール、ファックスなどで対応する。大勢のオペレーターを要するため、アウトソーシングや海外移管によって人件費の削減を図るケースが増えている部門だ。これまでにも、低コストの日本語人材を求めて大連にコールセンターを置く企業は少なくなかった。ところが、同社はオペレーターに「中国人の日本語人材」ではなく、ネイティブの日本人を採用したのだ。現地法人、英極軟件開発(大連)の徐躍平総経理は「日本人に応対するのだから、日本人のほうが質の高いサービスを提供できる」と説明。そして、「コストも実は中国人を雇うのと差がない」と話す。その理由は、同社が導入した独自の雇用モデルにある。同社が雇うオペレーターは、すべて日本から「インターンシップ」としてやって来る。同社は大連大学と提携しており、働きながら中国語やコンピューター知識などを身に付けることができる。

現地採用の扱いなので月給は3,200元(41,600円)。住居と学費は会社が提供する。徐総経理は「一人当たりの人件費は月6,000元(7,8000円)程度、中国人を雇った場合の保険などを考えれば、むしろこちらのほうが安い(!)」と胸を張る。(単なる「研修生制度」のマネじゃんw、それも滞在資格ゴマカシの上っ面ダケw))

人材の募集は日本で行っており、毎週の説明会には常に数十人が訪れる。多くは若者だが、中高年の姿もあるという。「日本は就職難なので、中国で語学や技術を身につけようという意欲のある人が集まる」と徐総経理。雇う側にとっては安く日本人を確保でき、働く者にとっては賃金をもらいながら留学(w)ができる。双方にとってメリットのあるシステムと言えよう。同社はこれまでも大連でインターネットのシステム開発、輸出を行ってきた実績があるため、こうしたオペレーターを「IT技術者」の身分で(w)大量に日本から呼び寄せることができる。現在は数十人だが、秋には100人、来年には300〜500人規模まで増やし、他社のコールセンターのアウトソーシング業務も行っていく計画だ。オペレーターとは1〜2年の契約だが、満期を迎えるころには相当な語学力やIT知識が身に付いているはずだ(w)徐総経理は「改めて社員として迎えることや、優秀な人材を他社に紹介するという業務も視野に入れている」と語った。日本人が中国へ働く場を求める流れの中、こうした雇用モデルは今後、一般的になっていくのかもしれない。(w?)...略...

「ヒューレッド・パッカード(HP)と同様の提携計画がある」と明らかにした。HPがコールセンターに日本人を雇用、東軟が中国語などの教育を行う。このほかにも、ある日本企業からは社員のIT研修を依頼されているという。「ITは技術的には日本と中国で大きな差はない(!w)が、教育コストは中国がはるかに安い」というわけだ。「私たちは、中国人の日本語IT人材と同時に、日本人の中国語IT人材も育成するわけです」と張副主任は笑った。(ウェ~ッハッハッハ、ってか、フンッw)

優秀な人材を安く確保することは、中国でビジネスを展開する日本企業に共通の願い、だが、そのためには決して現地調達(w。「採用」のミス?)がすべてではない。ITの産業基盤、教育環境の整った大連(?やっと著に着いたw)ではいま、企業ニーズに即した新しい人材の育成と、斬新な雇用モデルの模索が同時に進んでいる。
 
 

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

この日記について

日記内を検索