(産経新聞朝刊)
在日米軍再編 米、仕切り直し提案 日本側反発など配慮( 7/27)

在日米軍の再編問題で、米政府が日本政府に「在日米軍の配置については、仕切り直して協議したい」と、今後白紙の立場で協議に臨む方針を伝えてきたことが二十六日、分かった。米政府高官が日本政府高官へ伝えた。

米政府が、在日米軍の移転先とされた地元自治体の反発など日本の国内事情に配慮したものだ。米国防総省は世界規模での米軍再編(トランスフォーメーション)の一環として、在日米軍基地の再編を検討しているが、日米協議は長期化する見通しが強まった。

米サンフランシスコで七月十五日から十七日に開かれた日米外務・防衛審議官級協議では、米国防総省側が非公式に(1)米本土ワシントン州にある米陸軍第一軍団司令部の座間基地への移転(2)グアムの米第一三空軍司令部を横田基地の米第五軍司令部への廃止・統合−を伝えた

しかし、このほかにも、国防総省の一部が(1)座間移転後の米陸軍第一軍団司令部のトップを陸軍大将に昇格(2)航空自衛隊の航空総隊司令部(府中)の横田移設(3)沖縄駐留海兵隊の一部削減と一部演習の豪州などへの移転(4)米空母艦載機の夜間離着陸訓練(NLP)の厚木基地から岩国基地への移転−など再編構想を外務省や防衛庁関係者に打診

これらはいずれも「雑談(フリートーキング)レベル」(外務省幹部)であり、外務省、防衛庁とも「米政府内で意見集約されたうえでの打診ではない」(防衛庁幹部)と分析。政府上層部への積極的な報告を避けてきた。

ところが、これらの情報が「あたかも決定事項のように一部で取りざたされ、関連する自治体が反対に乗り出し、与党内からも反発の声が出るなど日本側は大混乱」(同)しているのが現状。さらに、厳しい財政事情の日本が移転とその後の駐留に伴って増加する費用を追加負担できるかも不透明だ。

日本政府側がこれらの事情を米側に詳細に説明したことが、米政府高官の「仕切り直し」発言につながった。今秋に大統領選を控える米側の国内事情も背景にあるとみられる。

米軍の総兵力は陸海空と海兵隊の四軍計約百四十三万人で、このうち約三十七万人(昨年七月時点)が海外に展開中。

ブッシュ大統領は昨年十一月、「全地球規模での軍事態勢の見直し」に関する声明を発表、新たな脅威に対応するため海外展開中の米軍の再編を課題に挙げている。

すでにドイツと韓国では駐留米軍の大幅削減計画をまとめ、在日米軍については、朝鮮半島から中東までの「不安定の弧」と呼ばれる地域への展開拠点として、基地の司令機能や即応態勢を強化することを検討している。


(産経新聞朝刊)
中国の時事問題誌 海洋強国へ海軍強化を( 7/27)

【北京=野口東秀】中国国営通信新華社の時事問題誌「瞭望」の最新号は、「海上に鹿を追う」と題し、中国が「海洋強国」に向けた道を歩むべきだとする特集を組んだ。

いかに「海洋」が「富強国家」を目標とするうえで重要かを戦略的にとらえる中国政府の考えが如実にあらわれているようだ。注目されるのは日本への意識を鮮明にしたうえで、「強大な海軍国家」を目指せとし、東シナ海の日中での紛争を重視する姿勢だ。

記事では、東シナ海、西太平洋水域における日中間での摩擦を踏まえて日本は「中国の競争相手」として同水域での「安定を変化させる最大の要素」としている。

「中国が受ける挑戦」も米軍の軍事的プレゼンス以外に日本の自衛隊が「遠洋作戦能力を発展させている」などとし、極めて日本の動向を意識していることがうかがえる。

「富強国家を目指すなら海を無視することはできず、財は海からもたらされる。危険もまた海から来る」と、明代の武将、鄭和が指摘したとして、尖閣を含む東シナ海で中国の漁船や海洋科学考察船(調査船)の操業が妨害されたとしているのも、中国の過度の国益主義がにじみ出たものとみられる。

記事の全体構成は資源獲得を基調とし、東シナ海の資源開発以外に、シーレーンとして台湾海峡、南シナ海、マラッカ海峡など五つの水域が中国の「生命線」と位置付けている。

特徴は「海洋強国」となるための大きな要素を軍事的にとらえ、「強大な中国海軍を造ろう」と強調していることにある。

このほか、日米露印の四カ国の軍事・防衛力の将来を展望、ハイテク装備に裏打ちされ局地戦争に勝てる海軍力をつける必要性を江沢民中央軍事委主席の言葉を引用しながら指摘している。

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