「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)8月20日(金曜日)
(略)
(読者の声1)西尾幹二先生のホームページに次の指摘があります。
「“5・22訪朝”に同行した外務省の藪中アジア大洋州局長が、昼前後に、突然、うわずった声で東京の細田官房長官に国際電話をかけてきたという。藪中局長は会談が一時間半ほどで打ち切られ、金正日が席を立って出ていったことを伝えた。細田長官が「君たちが同行していながら、何でそんなことをした」と叱責
すると、藪中氏は「私たちにも止めることができない状況があったのです」と答えたという。
なかでも問題となったのは、その後の小泉首相の行動である。席を立たれたので慌てて後を追った小泉首相は、金正日から「二人だけなら十分だけ話す」といわれ、別室に二人だけで入っていった。他に入ったのは北朝鮮側の通訳だけで、外務省の人間は同席できなかったと伝えられている。
もしこの報道が正確なら、この間、両者の間でどのような会話が交わされたのか、話によっては、欧米では「国家への反逆(裏切り)」の嫌疑さえ云々されよう。そこに”空白の十分”が生まれたわけで、まさに「金丸訪朝」と同じパターンである。場合によっては小泉首相に何か個人的な「弱み」があって、それを持ち出された可能性も考えねばならない。これはとうてい、民主主義国の指導者がなすべき外交ではない。
本来ならば、首相が最後の一線を越えそうなときは、外交官が体を張っても止めるものである。それでも止められなかった場合(いわば「殿、ご乱心」の状態だったのかもしれない)、法的訴追をしたり、告発したりする。イギリスの監視機関もそのためにあり、”空白の十分”をつくってしまった日本は、国家として
のギリギリの安全装置も機軸も失ってしまったのである」。
これは極めて重要な情報と思われますので、多くの人達に知っていただきたく回覧をお願いする次第です。
(YG生、東京都)
(宮崎正弘のコメント)
じつは二ヶ月以上も前に、このはなし、西尾先生から直接聞いておりました。
それから小生、二回ほど中国取材にでてしまったので留守が多く、その間に多くの人がご存じだと思っていたのですが、日本のマスコミは黙殺したのですね。あの「空白の10分間」のことを。
昨晩も或る会合で、日本の錚々たる人達に上記の事実経過をはなすと、誰も知らない。
「え。空白の10分。え。通訳なし?それって外交のイロハを知らない」と一様に怒りの反応でした。
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