(NNA)2004年08月20日 中国

乗用車に値下げ禁止令[車輌]

大手自動車メーカーが今月に入り、共同で車種ごとの標準価格帯を制定していたことが19日までに明らかになった。

ディーラーに対し独自の値下げを禁止するよう命じるもので、違反者への罰金や自動車の供給停止などを盛り込んでいる。これまで続いた値下げ合戦に急ブレーキをかける形だが、自動車消費の鈍化が表面化する中での突然の措置に、ディーラーの多くは頭を抱えている。

19日付中国紙「21世紀経済報道」によると、これまでディーラーに対し独自の値下げを禁じたメーカーは東風シトロエン、上海大衆(VW)、上海通用(GM)、北京ジープ、長安フォードなど。
日系メーカー数社の名もある

ほとんどのメーカーが違反したディーラーに罰則を適用。
1万元単位での罰金を徴収したり、人気の高い車種の供給を停止するなどの厳しい措置を採っている。中には独自に2,000元の値下げを行ったために、商品の供給を完全にストップされたケースもあるという。

あるディーラーは「ただでさえ売れ行きが落ち込んでいる昨今、罰金まで徴収されてはやっていけない」と頭を抱える。これまで薄利多売を柱に商品をさばいてきたディーラーの多くが、今回の値下げ禁止で新たな道の模索を迫られている。

■「買い控え」「利潤低下」対策

4月からの消費の鈍化を受けて、メーカーの在庫はここ数カ月で急増。国家発展・改革委員会経済運行局によると、今年上半期(1〜6月)の自動車の在庫台数は11万8,000台。このうち乗用車は10万5,000台に達している。

これまで一貫して値下げを容認、在庫一掃を図ってきたメーカーが、ここにきて突然の値下げ禁止に踏み切ったのは、相次ぐ値下げにより混乱している市場価格の統制が目的とみられる。

値下げ合戦が消費者の「まだ下がる」という心理を呼び起こし、結果的に買い控えや利潤の低下につながっていることから、価格を一度振り出しに戻そうという考えだ。

■ディーラーの整理・買収も?

一方でディーラーの間には、今回の措置について「メーカーがディーラーの整理と買収を目的に進めている」とする声もある。

上海のあるディーラーは「消費の鈍化と今回の措置で資金繰りに詰まり弱体化したディーラーを、直営店の少ないメーカーが安値で買収、販売ルートを確立するのが目的」と分析。すでに広州や北京、深センでは一部のディーラーが店舗の売却を始めているという。業界関係者は「店舗売却に踏み切るディーラーは、全国で合わせて100社に上る」と試算している。

■短期的との観測も

ただ業界内には、今回の値下げ禁止を一時的なものとする見方も多い。12日には値下げ禁止を唱えていたはずの北京ジープがSUV「アウトランダー」2種の価格を1万5,000〜1万6,000元引き下げるなど、メーカーの中にも矛盾した動きが出始めている。

上海のあるディーラーは「以前は携帯電話や家電製品でも同様の動きがあったが、数カ月で終わった」と述べる。メーカー主導の仕切り直しがこのまま続くのか、それともなしくずしに元の状態に戻るのか、今後の展開が注目される。




携帯・家電は、どん詰まりだけどな。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

この日記について

日記内を検索