(産経抄 2004/08/22)

▼昭和十七年秋、平●秀夫<ひらやなぎひでお>陸軍二等兵は中国河南省の前線に送り込まれた。父が英国人、母は日本人で日本国籍をとっていたが、開戦と同時に「敵国人」として逮捕される。日本人であることが証明されるとこんどは召集という理不尽な扱いだった。

▼八十七歳で亡くなったJ・B・ハリスさんのことである。この陽気な「百万人の英語」講師は、二十六歳で徴兵検査を受けてから、戦闘や捕虜を経て復員するまでの経験を『ぼくは日本兵だった』(旺文社)という本にまとめている。かなり生々しい軍隊記録だ。

▼上官や古参兵たちは、下の者にビンタを食らわすことしかできない。ハリスさんをまるで火星人のように珍しがってみたり、「合いの子」と言っていじめる。米国で教育を受け、英字新聞記者をつとめていたハリスさんにとって、まったく異次元の世界だったようだ。

▼戦後、英語教育をしたこともないのに、ラジオの受験講座の講師に指名されたのはそんな経験が買われたのかもしれない。ハリスさんは語学習得には「ボキャブラリーの文化的差異を知ることが大切」と言っていた。文化の違いがこれほど身にしみた人もいないだろう。

▼それでいて自ら日本人であることにはこだわり続けた。なかでも復員した「母国」の変貌(へんぼう)にショックを受ける。町に横文字が氾濫(はんらん)し、入った薬屋の女子店員は戦前とはうって変わってつっけんどんだった。「戦争に負け日本人は魂まで失いつつある」と嘆いている。

▼英語講座でも、世界に通じるシャンとした日本人を育てたかったような気がしてならない。「日本人として死にたい」という口癖の通りになったのは今月十六日、日本中が北島選手の優勝などアテネ五輪の活躍にわいているときだった。

●=木へんに夘


ラストサムライだったんだな。

なにも、刀を振り回すことだけが侍じゃないし。

(産経新聞 おくやみ)

J・B・ハリス氏(元「百万人の英語」講師、本名・平?秀夫

J・B・ハリス氏(元「百万人の英語」講師、本名・平?秀夫=ひらやなぎ・ひでお)16日、肺気腫のため死去、87歳。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は妻、多鶴子(たづこ)さん。

文化放送の「大学受験ラジオ講座」や「百万人の英語」の講師として活躍。多数の英語、英会話関係の著書がある。

(08/21 05:00)


「シンレッドライン」てな映画の感想なんてあったかな...。

連戦連勝の支那戦線じゃまた違うか。

★04/03/22 21:51 ID:kYEYfbCi
トリビア

ビートたけしは昔、オールナイトニッポンでハリス先生のモノマネをしたことがある。
「皆さ〜ん お元気ですか〜ん」

★04/03/31 19:23 ID:Buul3CKS

ハリス先生の"NUMBER THREE"の発音
ナムバーずりぃー

★04/07/16 15:37 ID:4Z3oxmGR

受験講座、初期のラインナップは次のようだった。
英文解釈、岩田。英作文、ハリス。英文法、野原。
数学、戸田、田島。
国語、塩田、小西、戸倉。
1950年代半ばの話です。

★04/08/20 19:27 ID:amVhBuct
ttp://www.yomiuri.co.jp/obit/news/20040820zz02.htm
J・B・ハリス氏=ラジオ講座「百万人の英語」元講師
>J・B・ハリス氏(ラジオ講座「百万人の英語」元講師)16日、肺気腫(きしゅ)で死去。87歳。
葬儀は近親者のみで済ませた。喪主は妻、平柳多鶴子さん。

神戸市生まれ。父親は英国人記者で母親は日本人。17歳で日本に帰化し、太平洋戦争に日本兵として出征した。
戦後は文化放送の深夜番組「百万人の英語」のほか、「大学受験講座」で長く英語講師を務めた。
(2004/8/20/13:15)

自分も以前>>63さんのレス読んでたのでもうとうにお亡くなりなのだとばっかり・・・・・合掌

★04/08/20 21:01 ID:F9RxPJaD
>>94
ハリス先生(本名・平柳秀夫=ひらやなぎ・ひでお)は、日本兵として出征し、中国戦線で戦われ、終戦後復員された。

★04/08/21 15:53 ID:pPVJa5vp

ハリス先生が亡くなられたのですね。
今、ラ講を聞いてた青春時代を思い出して昨日から感慨にふけってます。

小生がラジオ講座を聞いたのは高校3年の昭和55(1980)年、南海放送で朝5時からです
ハリス先生、猪狩先生、西尾先生等の名調子の講義が脳内で蘇ってきます。

(私は1970年かな。夜遅くやって朝は再放送だったよね)

★04/08/21 23:41 ID:NIavWatZ

大学の教授の講義はほとんど覚えてないのに
ラ講や百万人の英語の講師の講義の方が今も印象深い

大学は行かなくてもよかったってことかw

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