【読者反響】「高砂義勇隊」のFLASHについて

「台湾の声」編集部御中

残暑お見舞い申し上げます。
先日、「台湾の声」にて、「高砂義勇隊」のFLASHをつくられた方がいらっしゃいましたが、あまりにも見事なので、台湾に縁がない友人・知人にも多く見るようにすすめました。

その中で、高橋伸さんという方から、以下のような返信メールをいただきました。

文章が上手だし、感動的なので、出来れば、「台湾の声」でご紹介をしていただきたいのですが、いかがでしょうか?

暑い日がまだまだ続きますので、お身体を大事に、ご活躍くださいませ。

杉山美也子(拓殖大学大学院 安全保障専攻 地域研究B・台湾研究)

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「高砂族に捧げる」

メールありがとうございました。
HP魅入りました。
いったいどんな人達が作ったのかな、と思いました。

以前、杉山様に高砂族の話をしたのでしたっけ。
その割りには私はそんなに高砂族のことは知りません。
台湾へ行った事もありません。
一人の高砂族であろう老人に会ったことがあるだけです。

その人はコスタリカの首都、サンホセの中心にある公園の木陰のベンチに、一人ポツンと座っていました。
前を通りかかった私は日本人?中国人?と思いながらも挨拶しました。

国の恥だ、とばかりに露骨にいやな顔をされる事が多いので、一瞬迷ってから、「こんにちは」。

その人は弾かれたように私を見、「今日は!」叫ぶかのような声が返ってきました。あまりにも人恋しげな彼の目に引き寄せられるかのように、隣りに腰を下ろしました。

私が旅の者であることを告げると、彼は役所へ手続きの為に来て、昼休みになったので待っている旨を気弱そうに微笑みながら語りました。そして台湾出身者である事も。私の心は少し身構えました。

「私達のような者は蒋介石が来てからは、人間らしい生活は出来ませんでした。」
「10年以上それは大変でした。やっとの思いで子供達を育ててね。」
「息子がこちらで仕事していて、呼んでくれたんですよ。」
嬉しそうに笑う。移民の手続きで役所に来たそうだ。

「こちらの生活はいかがですか。」今度は寂しそうに笑う。
「でも台湾での生活は本当に苦しかったからねえ。ええ、私達のような日本の教育受けたものはね。」

「戦争にも行きましたよ」
両手が膝の上へ行く。正座の姿勢である

「残念ながら」顔をしかめて「兵隊になれなくて。」

えっ?と思って注視する。
「でもね軍属で輸送の仕事で南方へ行ったよ」
「帰ってきてみたらもう大変だった、私達のような者はねえ」

「大変なご苦労をおかけいたしました。誠に申し訳ございませんでした。」頭を下げる私を見、私が何を言ったか気付いた彼はあわてて手を振り、「何を言っている、あなたが謝ることないの。ABCD包囲網って知っているでしょ?(私の顔を覗き込みながら)

あの時、日本はやる他なかったの。ああする他なかったの。」

「南方でね、大きな夜戦があってね、朝、甲板に出てみたら、波間に白んぼだの黒んぼだのいっぱい浮かんでてね。

ああ、あの時日本は勝つ!って思ったんだけどな。」

いかにも悔しそうな彼を見ながら、私は何も返事が出来ませんでした。いったい何を言えたでしょう。

それから4年後のカトマンズの土産物屋の片隅に、日本人が置いていった本が並んでいました。
その中の一冊が目に飛び込んできました。鈴木明著『高砂族に捧げる』

その夜、私は彼を思い出して泣きました。声を放って泣きました。読みながらあんなに泣いたことはありません。

私が出会ったあの人、林建一さん、中国名「林中建」氏。
本名は知らないあの人は高砂族であったと思います。

あの物腰、あの微笑

グローバリズムという名の自虐史観にとらわれることなく、自分の素直な目で歴史を眺めることが出来るようになったのは、彼が与えてくれた勇気のおかげだと思います。

HP見たら熱くなってしまいました。

             高橋 伸



小さいときに受けた「教育」ねぇ。

「どんなもんでも」すんなり入っちゃうから、修正するのは難儀だわな。

青春時代に「何か感じて」国外に出る人もいれば、そのまんま仕事に夢中になってしまって年取ってから周りの雰囲気(時代の「空気」)からなんとなく薄らわかりだしてきて、時間をみつけて少しづつ近くの本屋で手に入る本なんぞで微修正重ねて、「自分再教育」やってるのが実情なんだろうな。(後者は自分のコトですヨw)

本来、自国の先々の世代の先輩諸氏がこれを語らなくてはならなかったのかもね。そうすれば、コスタリカくんだりまでまたその4年後のカトマンズまで無意識の自国探しに出かけなくても、...てな印象は不謹慎でございましたでしょうか。

ふと、映画「壬生義士伝」、思い出してしもうた。

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