支那市場について

2004年8月26日

愛知県立大学の樋泉克夫教授が書いた拙著への書評です。あわせてご鑑賞下さい。なお同文は『日本文化』の2004年夏号に掲載された批評です。

◎『中国財閥の正体』の書評◎

「木を見て森を見ない。失敗からも歴史からもなにも学ばない。さらには大局観も戦略的思考も持ちあわせていない・・・まさにないないづくし。この日本人の宿痾を臆面もなく曝しているのが、中国市場はバラ色だと喧伝するメディア挙げてのヨタ話の大合唱だ。

「低迷する日本経済再生の道は中国市場にあり」でも眉にツバする必要があるが、最近では、いうに事欠いてか、日本は中国の下請けとして生きていくべきだなどと真顔では聞いていられないような議論までが大手を振って罷り通っている。

その昔の「俺も行くから君も行け」には、まだまだ進取の心意気が感じられた。だが、「トヨタが行くから我社(ウチ)も行く」式の中国進出話には、どうにも情けなさだけが先に立ってしかたがない。この程度の心構えで中国市場に出掛けていくのだから、その結末はタカが知れている。

商戦に破れ一敗地に塗れると、彼らはしたたかだった、と泣き言をいう。だが、この現実世界がしたたかでないわけがない。ことに相手は中国の商人ではないか。

どうも日本人は、中国経済が万国共通の経済のリクツで動いていると勘違いし、中国市場は中国の商人が動かしているという極く当たり前の事実を忘れているようだ。

つまり経済、いや直截にいうならカネ儲けというものにかかわる中国社会の仕組み、企業家にとっての政治の役割、政治家にとっての企業活動の意味、政治家と企業家の人脈上のカラクリ、これを総じていうなら中国人の企業文化というものを理解しないかぎり、かつての日本軍が広大な中国の国土に不毛な消耗戦を余儀なくされた二の舞を、現在の日本企業も味わう羽目にならないともかぎらない。

そこで、中国経済と市場の動きに関心を持つすべての日本人に読んでもらいたいのが、『中国財閥の正体 その人脈と金脈』ということになる。

本書は、なによりも著者が中国のみならず、台湾、香港までをも自らの足で歩き自らの眼で確かめて集めた膨大で詳細なデータを縦糸に、著者自身の体験を横糸にして書かれている。これこそが、中国経済をテーマとした数多くの書物と異なる最大の特徴だ。 

まず著者は基本的で客観的な数字を挙げ、

中国経済を動かす原動力は中国それ自体ではなく、台湾、香港、東南アジアの華僑から投資された外資

であり、「日本企業からのそれは八%にすぎない」との厳然たる事実を示した後、「海外華僑を含めた中国企業の沿革と人脈を整理して、これまで見えなかった中国経済の実態を検証」してみせる。

そして確かに「近年の経済進展がめざましい一方で

経済活動はてんでんばらばらの様相」をみせ、「整合性のない経済政策、通商政策の連続だから局部的にはやりたい放題」であり、それゆえに「独裁的集中的な政治力でも収拾がつかない、政府の制御能力を超えた混沌が中国に到来している」

と、中国経済の現状を的確で簡潔に総括する。

そして、では、そういった進展と混沌とが混在する中国市場で、誰が誰と手を組んで、誰が政治家とのコネを最大限に生かして、誰が政治のカベをいとも簡単に乗り越えてカネ儲けに勤しんでいるのかを、事実を積み重ねながら明らかにしてゆく。

たとえば中国共産党幹部のこどもたちの実態・・・あまりにも有名な江沢民の息子はさておくとして、清廉潔癖・謹厳厳格の権化(中国式に表現するなら「清官」の典型)と讃えられた朱鎔基前首相の息子が国際金融大手の幹部だったり、共産党民主化の旗手とまで持ち上げられている胡錦涛国家主席の娘が中国語圏ポータルサイト最大手の「SINA.COM」の前CEOと結婚したり・・・その影にワシントン人脈が見え隠れし、さらに台湾、香港、東南アジアの華僑資本が絡み合う。

日本人には想像すらできない人脈のカラクリは、ぜひとも本書に当たって確認してもらいたい。

それにしても、「外資に過剰依存する中華的体質」「国土の砂漠化、人心の荒廃化」との著者の指摘が、カネ儲けに狂奔する彼らの耳に届くことはあるのだろうか。」

(ひいずみ・かつお氏は中国研究、とくに華僑人脈の研究で第一人者です)。


大連の場合、10年以上安泰に活動してるのは、材料・半製品を輸入のうえ安い労働力使って仕上げた製品の90%以上を日本の本社宛売っている「現地工場」だね。また、他は日本での従来の取引先宛かな。極めて単純な図式のものだけの様相。

ウチ? もち、同じスタイルさ。
日本での買主見つけてから工場買って生産し、駐在さんの住まい探しや現地事務所欲しいてなニーズ受けてからビルやらマンション買って家主やってるだけ。相手様だってわけのわからん支那人から借りるよりはるかに安心だってわけ。支払だって日本で円で済むしさ。こっちのメリットも、同じだね。カネは支那銀から引っ張ってくるけど...w
各種誰の名義かは聞くだけヤボかもw

また、はやってそうなクラブは日本人「出張者」向け(長期滞在の駐在員はそんな噂の立つヤバイとこは行かないとのこと)のようだし、狭い日本人社会の情報収集に便利な「居酒屋」は、純日本仕様(下駄、上っ張り、鉢巻スタイルw)の付加価値つけて大繁盛だしね。羊串肉自転車スポーク刺し大串一本一元、小串何ポン一元てな世界で、葱間鶏肉三ケ何元てなもんに地元民くるわきゃないってw。ビール飲んで葱間頼んで〆て50元は軽いからさ。感覚的にも懐的にも、無理々々。

そのお礼ってわけじゃないけど、いいちこ300元でボトルキープしたさ。梅お湯割りで楽しんで居ります。

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