■室伏 広治(むろふし・こうじ、ミズノ=陸上男子ハンマー投げ)

世界選手権01年2位、03年3位。00年シドニー五輪9位。アジア大会2連覇、日本選手権10連覇中。昨年出した84メートル86は世界歴代3位。父の重信氏はアジア大会5連覇の「アジアの鉄人」。妹の由佳は女子ハンマー投げ代表。中京大大学院在学。187センチ、98キロ。29歳。静岡県出身。(共同)

≪「大切なのは真実」≫

「表彰台で受け取りたかった。実感がわかない」と表情は硬かった。アヌシュ選手(ハンガリー)のドーピング(薬物使用)違反により二十九日、繰り上げで金メダル獲得となったハンマー投げの室伏広治選手(29)。メダルの裏に書かれた文章を引用し「大切なのは真実」とドーピングがはんらんする現状を嘆いた。

アテネ市内で記者会見した室伏選手。普段通りの穏やかな口調で「本当にうれしく思います」と言うが、満面の笑みとは程遠い。

「皆さんに見てもらいたいものがある」と言いながら自筆のメモを報道陣に配った。メダルの裏に書かれたギリシャの古代語の文章を周囲の協力を得て訳したという。「真実の母オリンピアよ。あなたの子供たちが競技で勝利を勝ち得たとき、永遠の栄誉(黄金)を与えよ」

金メダルより重要なものがある。本当の真実の中で試合が行われることがどれだけ大切かと思って引用した」と力説した。アヌシュ選手と「真実」の中で真っ向から勝負をして決着をつけたかったという気持ちが表れていた。

アヌシュ選手は国際大会で頻繁に顔を合わせる友人。「仲間の一人がこういう結果になって非常にさみしい」と会見を締めくくった

会見場のメーンプレスセンターには約100人の報道陣が詰め掛けた。(共同)

≪「本当にうれしい」≫

陸上男子ハンマー投げで繰り上げの金メダルが決まった室伏広治選手は、表情を引き締めて会見場に現れた。

−今の気持ちは。

「本当は表彰台で直接金メダルを受け取りたかったというのが本音だけど、これまで毎日の練習に耐え精いっぱいやってきたことがこういう結果になり本当にうれしい」

−このメダルの意義は。

「まだ金メダルを手にしていないので実感はわかない。メダルの裏に古代ギリシャ語で書かれてある『真実』という言葉が印象に残った。金メダルより大切なものがある。これからスポーツを見るときには、そういうことも感じてほしい」

−最終決定が下るまでの心境は。

どういう結果になろうと自分が一生懸命やったことは確か。応援してもらい、サポートを得たことが重要だ」

−ドーピング廃絶のために必要なことは。

「日本だけの問題ではないので難しい。国によって五輪に対する価値観も異なる。ただ、選手間の友好の雰囲気を高めることは大切だと思う」

−自分がベストを尽くした大会から違反が出たことについて。

「アヌシュ選手には(ドーピングの)うわさもあったが、自分は分からない。ハンマー投げの仲間が違反し、そのほかにも円盤投げや砲丸投げで違反があったことは、さみしい気がする」(共同)

(略)

■室伏広治選手の父、重信さんの話 日本の陸上界でまだ金が少ない中で価値のある金メダルを獲得した。本人の努力、幸運もあったし、皆さんの支えもあり、ここまでこれた。本当に良かったという気持ちがわいてくる。北京五輪の次の世界選手権まで(選手としての)適齢期なので、そこまではこれ以上の記録や成績を収めてくれると期待している。

(08/30 03:22)



民度が、高いな。

■【主張】アテネ五輪閉幕
「家族力」が発揮された 日本選手の活躍を讃えたい

(略)

≪共通する「厳父」の存在≫

吉田沙保里選手は、全日本チャンピオンだった父親のレスリング教室で、三歳から鍛えられた。

72キロ級で銅メダルを取った浜口京子選手も元プロレスラーの父親の指導を受けて強くなった。

野村忠宏選手は、祖父の代から続く柔道一家に育った。女子70キロ級の上野雅恵選手や78キロ級の阿武教子選手も、柔道家の父親によるスパルタ教育を受けた。

(略)

谷亮子選手は、結婚したばかりの夫で日本野球代表の谷佳知選手の応援を受け、「田村で金、谷でも金」の約束を果たした。女子レスリングで銀金を射止めた伊調千春、馨姉妹は励ましあいながら、練習を重ねた。彼女たちの健闘は、夫婦愛や兄弟愛の大切さを改めて示した。

(略)

泉浩選手は、青森県の漁師の家に生まれた。両親ら地元の応援団は「マグロ一筋」と書かれたTシャツを着てアテネに駆けつけ、大漁旗を振って応援した。

(略)

日本の国内でも、各選手の母校や故郷で懸命に応援する姿が見られた。

≪国旗・国歌に敬意払う≫

(略)

日本のお家芸だった体操の男子団体で、一九七六年のモントリオール五輪以来、二十八年ぶりに金メダルを奪還した。

(略)

柔道では、外国選手の腕力にものをいわせたレスリングまがいの新しい技にひるまず、本来の投げ技や足技を駆使して倒した。

「柔道王国・日本」が復活し、「体操日本」が復活の兆しを見せたのは、各選手が基礎・基本に立ち返って練習に励んだ成果といえる。

同じ日本のお家芸である男子平泳ぎで、百、二百メートルの二冠に輝いた北島康介選手はスタート前、胸の日の丸に手を当てて競技に臨み、表彰台では誇らしげに君が代を口ずさんだ。女子八百メートル自由形を制した柴田亜衣選手は勝利を確かめると、コーチ陣から手渡された日の丸の扇子をスタンドに向けて振り、表彰後のインタビューで、「日の丸を見て、君が代を聞き、感激した」と話した。

アテネ五輪では、総じて国旗・国歌に対する日本選手たちのマナーは良かったように思われる。健全なナショナリズムがこれらの若者たちの心に育(はぐく)まれていることが感じられた。こうした傾向が、スポーツの世界だけではなく、あらゆる分野に、自然に広がっていくことを期待したい。


否応なく直前の「無礼大会」との比較がなされ、日本選手陣の「立ち居振る舞い」は、西洋人ら非亜細亜圏の人たちの「亜細亜印象」を決定付けたかもね。

30歳代以下の世代が、戦後日本を立て直すんだろう。

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