(日本経済新聞)
首相のブラジル訪問に中国の影 政治部 内山清行(9月13日)

小泉純一郎首相が13日から23日まで、メキシコ、ブラジル、米国を訪問する。国連総会がある米ニューヨーク、自由貿易協定(FTA)の署名式に臨むメキシコ行きは納得できるが、今なぜ、ブラジルなのか。目を凝らしてみると、中国の影がちらついている。

「いとこがサンパウロで仕事しているんですよ。10歳年上でね。純ちゃん、生きているうちにサンパウロに来てくれ、と。夢がようやくかないます」。首相は8日、日本で就業しているブラジル人青年らの表敬を受けてこう語った。

外交当局の意気込みは、首相以上かもしれない。ブラジルはロシア、インド、中国とともに「BRICs(ブリックス)」と呼ばれる成長株

人口は1億7000万人で、経済規模は東南アジア諸国連合(ASEAN)に迫る。何よりの魅力は世界有数の食糧・資源大国であることだ。鉄鉱石、大豆では、世界2位の生産量を誇る。

16日に予定している日・ブラジル(日伯)首脳会談で首相は、共同声明を発表し、経済交流拡大の弾みにしたい考え。首相外遊としては異例の経済界ミッションも同行する念の入れようで、今後、ブラジル向け政府開発援助(ODA)も増額する方針という。

日本とブラジルの関係は、日本からの移民や日本企業の積極的な直接投資などを背景にもともとは緊密だった。ところが、1980年代の中南米債務危機、90年代の日本のバブル経済崩壊で次第に疎遠になってしまった。「失われた20年」をなんとか埋めようと、外務省は1年以上前から首相にブラジル行きを口説いていた。

ただ、それだけでは、日本をここまでブラジルに駆り立てた理由として十分ではない。

「急速にブラジルとの距離を縮めている中国の存在があるんですよ」。外務省幹部はこう指摘する。中国経済の拡大に伴い、中国・ブラジル間の経済交流は急拡大している。ブラジルから中国への輸出は、鉄鉱石や大豆など一次産品が中心で、2003年の対中輸出額は5年前の5倍に膨らんだ。

ビジネス拡大にブラジル側の期待も高まる。ルラ大統領は5月、約400人の大訪中団を率いて北京を訪れ、広範な経済協力協定や合弁事業計画で合意した。これに応えるかのように、中国はブラジルのインフラ整備に数十億ドルの支援を用意しているとされる

資源と食糧の供給基地――。「ブラジルに期待する役割は日本と中国で重なるんです」(外務省幹部)。小泉首相のブラジル訪問は、8年ぶりとなる日本の首相訪問を利用してライバル、中国との差を縮めようという作戦なのだ。

こうした構図はブラジルに限らない。例えばASEAN。中国は経済関係強化の切り札であるFTA交渉をいち早く持ちかけ、日本を焦らせた。

昨年10月、インドネシアのバリ島で開いたASEAN首脳会議では、日本が見送った東南アジア友好協力条約(TAC)に中国が署名。日本はあわてて署名に動いた経緯がある。

アジア域内での主導権争いにとどまらず、アフリカ諸国との関係でも、中国と日本が火花を散らすことが珍しくないという。

そんな日中の2国間関係の現状はかつてなく厳しい。尖閣諸島に上陸した中国人を日本側が逮捕したり、東シナ海の海底ガス田開発をめぐって対立したり……。

草の根レベルでは、サッカー・アジアカップでの反日騒動が記憶に新しい。日中関係が緊張の連鎖に陥らないのは、日中間の経済のつながりと、共通の利害がある北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の枠組みのおかげといっても、言い過ぎではないように思える。

靖国神社参拝に対する中国からの批判を意に介さないことに象徴される首相の対中外交姿勢には、批判だけでなく評価する声もある。「おかしいと思うなら、やればいいじゃないか」。経済産業省幹部は、東シナ海でのガス田開発問題で、日本側も独自調査を開始するという方針を決めた際の首相のひと言が、忘れられない。「対中配慮が先行しがちな、これまでとは違う」。

一方で、首相の靖国神社参拝に中国が反発し、首脳の往来が途絶えている現状が、日中外交に閉そく感を与えているのも間違いない。(だから、どっちが理不尽かでしょ)

「日中韓3カ国首脳会議を開催して、首脳会談の場を増やしてはどうか」「アジア太平洋経済協力会議(APEC)などの場で会談はできる」――。今後の日中関係改善にむけた具体策となると、政府内も一枚岩ではない。

誰もこのままでいいとは思っていないが、妙案が浮かばない。ある外交官がため息混じりにこうつぶやいた。「対中外交を組み立てようとしても、必ず壁にぶちあたる。

首相は自民党総裁任期まで、あと2回、必ず靖国神社に参拝するからです」。

(いいじゃん。軽重判断できねぇなら、止めろぃ!)

11日間の海外訪問は、小泉政権発足後、最も長い外遊になる。郵政民営化案の閣議決定を強行した首相にとって、帰国後の党人事・内閣改造の構想を練る旅になるというのがもっぱらの解説だ。地球の裏側にあたるブラジルで、中国の息吹を感じ取る余裕が、首相にあるだろうか。



日経節、ですな。

でもね、案外CD屋で「小野リサ」目立つの、なんとなく納得ですね。

ポ語って感じが柔らくていいな。

ボサノバかるぅ〜く流れてくれると、あのお下劣な支那ロックよりかよっぽどぃぃしぃ...w

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

この日記について

日記内を検索