(台湾の声)

(略)

千恵新大使夫人の挨拶

【こんなに多くの方々に、お集まりいただき、なんとお礼を申し上げれば良いのかわかりません。

30数年間台湾へ帰れず、日本に長い間滞在しておりました私ども(!)を、暖かく見守って下さった方々、ここにいらっしゃる阿川弘之先生、宮崎繁樹先生や服部公一先生、一緒によりよき台湾のために頑張ってきた仲間たち、王育徳夫人、宗像隆幸さん、寥春栄さん、周英明ご夫妻、黄文雄さん、小林さん、喜びも悲しみもともにしてくれた多くの友達と親戚、みんな、白髪は増えしわは多くなりましたが、お会いできて大変うれしく思っております。

私が12年前、ブラックリストが解除になり、(故郷)台湾の地を30数年ぶりに踏んだとき、「この台湾は私の思い描いていた台湾と違う」と、泣きそうになりましたが、主人の世楷が、「君が台湾を出て行ったときは18歳、今はもう50幾つになりました。君が変ったように台湾も変ったのです」と慰めてくれたのです。

それから12年、私たちは10の部族の学生がいる原住民の学校へ行き、学生たちと共に生活しながら一緒に学んできました。原住民の学生が、遠いという言葉は、「イディ〜ラ」と言うのだと教えてくれました。更に遠い場合は、音を「イディ〜〜〜〜ラ」と伸ばせば良いと言うのです。孫がお爺さんに、「アメリカは遠いの」と聞いたところ、お爺さんは、「イディ〜〜〜〜〜と言ったまま、山へ仕事に行ってしまい、帰って来てから、〜ラ」と言ったなど、楽しい話をたくさんしてくれました。(会場笑いの渦)

台中の大学では、中国人になりかかっている学生に、「君たちは台湾人なのだ」と教えてきました。また、読書会、人権委員会などコミュニティでの活動を通して、台湾人のバイタリティに触れ、希望も見出してきました。

アムネスティの仕事もしました。日本に居るときは、日本の方々ばかりでなく、ドイツやスエーデンの人たちまでが、台湾の政治犯(今となっては「民主闘士」だな)のために一生懸命助力してくれました。

いま台湾は自由になり、こんな良い国になったのですから、そのときのお返しとして、他の国々の政治犯を救いましょうと呼びかけ、台中に二つもアムネスティの支部ができました。本当に充実した12年間でした。

昨年夏、主人の69歳の誕生日に、「2人ともすぐ70歳になるのだから、そろそろ人生の整理を始めましょうよ」と、年の初めにパソコンを買い込み、長らく留守をしていた台湾を再発見するため、新しい車も買いました。すべての公職から、リタイアする準備をしていたのです。

それなのに主人の世楷は、このたび駐日代表のお仕事がもち上がると、私には何の相談も無く、さっさと自分一人で引き受けてきてしまいました。(会場大喝采)。

よほど、この仕事に魅力を感じたのでしょう。私も、国家がなお世楷を必要としている、重責を彼に負わせようとしていると、身が引き締まる思いでいっぱいになりました。(会場静まりかえる)。

赴任前、台湾へ戻ったときもそうでしたが、私ども所属の教会で、感謝礼拝を行ってくださり、高俊明牧師が「神からのみ言葉を心にもち、強くまた雄々しくあれ」と励まして下さいました。

ロスアンジェルスにいる息子からは、「パパ、インデグリティ(誠実)、ディグニティ(尊厳)、インテリジェンス(聡明さ)をもって、台湾外交のためにがんばってください」と、エールが送られてきました。(大きな拍手)

ほんとうに、私たちだけではできない重責です。

一昨年、ヨーロッパへ旅したとき、ルクセンブルグという小国が、周りの国々からその独立を認められているのを見て、ほんとうにうらやましく思いました。それと比べて、同じ小さな国台湾の前途は、なんと険しく多難なのでしょう

どうか本日ご出席の台湾人が、誠実、尊厳、聡明さをもって、世界に台湾のことを語り、友達をつくって下さいますよう、また日本人の皆さんには、変らぬ友情を台湾に与えて下さいますよう、心からお願いいたします。(長〜〜い、イディ〜〜〜〜ラな拍手)】

千恵夫人は、学校の先生が生徒に話すように、淡々と物静かに話されましたが、会場を埋め尽くした参会者は、深く感動していました。

この日、登壇されたどの人の話も、みな素晴らしいものばかりでした。新しい台湾外交が着実に回りだしたのを見る思いでした。

閉会後、知り合いの台湾の友人に声をかけると、だれもみな非常に高揚していました。私たち日本人は、大使ご夫妻をはじめ多くの台湾人の抱く「千里の志」が、見事に開花し結実するよう、共に憂い共に行動していきたいものです。



日本人の若者(もち仕事持ってるおやぢも)が、臆せず「誠実」「尊厳」「聡明」さをもって、世界に、過去も現在も含めて正確な日本のことを語り、真の友人をつくっていけるようになりたい、ネ。

って、ちょいと教訓めく奇麗事のようだけど、「本筋」はそうだもんな。

下衆の論理に付き合ってると、どうしても染まるからなw
そこいらは、臨機応変に、な。

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