9月10日(金)

(略)

「古代ローマ末期、ローマ人は奢侈に流れ、労働を嫌い、軍務を逃げ、つらい仕事は奴隷に任せ、外敵との戦いは傭兵に委ねて、その日その日をうかうか過し、やがて滅亡しました。日本人もつらい仕事を奴隷に任せればいいのですね。

アメリカ軍を傭兵だと思っている日本人はとても多いのです。

そのうちローマ人がゲルマン人の傭兵隊長オドアケルに寝首をかゝれたように、日本はアメリカ軍に再占領される日を迎えるでしょう。

異民族がどんどん入ってきます。日本列島がなくなることはありません。列島の住民、この地への移住者が絶えることがなくても、日本という国、日本人という民族は消えてなくなってしまうのです。」

「ありがとうございました。先生、そこを放映させてもらいます。」

なぜこんな話を急にしたかというと、数日前、ある会合で出席者の一人が大学生5人のいる場で尖閣諸島の話をしたら、彼らは全く尖閣の名を知らなかった。そこで詳しく説明したら、大学生の一人が「そんなの簡単じゃないか。日本がアメリカになっちゃえばいいんじゃないか。」他の大学生もそうだ、そうだと言ったとあきれた面持で語ったのを思い出したからだった。

「日本がアメリカに再占領される」という私の先述のことばの意味も今の大学生には分らないだろう。再占領されれば気楽でいいや、というくらいにしか考えないのだろう。

再占領されれば憲法が停止され、日本人は人権を無視され、婦女子が暴行されても日本に裁判権はなく、彼ら大学生はアメリカ軍の尖兵となって最も不利な戦地に追い立てられるかもしれないのである。そんなことを今の学生は考えてもいない。けれども

人手不足を補うために外国人労働者をどんどん入れゝばいいと思っている今の企業人やエコノミストも、日本の現実について考えていることはこの学生たちと大差ないであろう。


(略)



             

(大前研一氏メルマガ)

   ●外国人介護士に日本の技能資格は必要か?●

(略)

資格のことで言うと、フィリピンには料理や介護の国家試験による資格がたくさんあります。またフィリピン人は英語が公用語ですから、アメリカの資格はすぐに取れる。フィリピンではそういった資格を有する人をストックして、世界中に紹介しているのです。

こういう人たちが日本に入ってくると、とても安い値段でフルタイムで働いてくれます

しかし日本の技能資格を取れということになると、まず読み書きから始めて、資格試験に合格するのは非常に大変です。そうして日本の資格を取った人たちは、当然ながら報酬も日本人並みに高くなる。また英語圏ならどこでも働けるフィリピン人に対して日本だけがそういう高いハードルを設けると、来てくれる人も少なくなるでしょう。

日本の資格と言いますが、そこまでのレベルが本当に必要でしょうか。介護の現場を見るとわかりますが、介護士の人数が足りず、寝たきりのまま床ずれで苦しんでいる人たちも多いのが現状です。そういったところに、片言の日本語ではあるが、ちゃんと親切にやってくれる人が、例えば3分の1の報酬で来てくれるとしたらどうでしょうか。

これらのことを踏まえた上で、受益者である介護を受ける人に改めてこう質問してみる。日本語はあまりできませんが、フィリピンとアメリカの資格を持っていて、介護に関する基本的な知識は十分です。この方々は月々6万円の報酬です。それに対して日本語の資格を持った人は18万円です。あなたはどちら選びますか。本当に問うべきなのは、こういうことなのです。

  ●介護を必要とする人の視点に立った議論が必要●

看護、介護の外国人労働者の受け入れに反対している人たちというのは、日本の資格を持った人たちかもしれません。そういったサービス産業の人たちの立場もあるので、経団連などもイエスだ、ノーだと言っていますが、やはり介護を受ける国民の意見を聞くべきではないでしょうか。

また、フィリピンの介護士の報酬は現地では6万円くらいですから、その値段も開示すべきです。日本でも5〜6万円でフルタイムの介護士が雇えるんだったら、寝たきりの高齢者を抱えている主婦の方は、自分がスーパーでアルバイトをしてでも、そういう人を雇いたいと思うでしょう。それで家庭もベリー・ハッピーになるのは間違いないのです。ですからこの問題のイエス、ノーを役人や経団連が決めるなんて、とんでもないことだと思います。

現在、マニラの南のSilangというところに、日本からの退職者を対象とした住宅開発がなされているという記事がジャパンタイムズに出ていました。今後は日本語で対応できる病院などもできるのではないでしょうか。ここはおそらく月々10万円クラスで入れるようになるはずです。そうなるとフィリピンから介護士に来てもらう必要もない。年金受給額が30万円から20万円に近づくに連れて、こういった風光明媚、気候温暖なところで暮らしたいと思う人も増えて
くるでしょう。

このアンケートでは多くの人が日本政府の方針を支持している、との報道ですが、アンケート内容を詳しく見てみると、決してそうだとは言い切れません。

50代、60代は他の世代に比べて、日本の技能資格や日本語能力にはこだわらないという人が多いのです。つまり介護の現場に近い人ほど、こういった人々が必要だと感じているということだと思います。今後、少子高齢化が進む日本においては、こういった声がますます強まる可能性があります。

外国人労働者の人たちが本当に6万円で引き受けてくれるのでしたら、私は日本の介護の問題というのは解決できると思います。看護、介護にかかわる外国人労働者の受け入れは誰のためであるのか、そして今の日本で求められているのはどういう人たちなのか。今回のアンケートの結果をもう一度洗い直し、介護を本当に必要としている人の視点で、もう一度この問題の本質を見直してみるべきではないでしょうか。


「問題」の先送り、というか「本筋」ではなおい「小手先」のか解決策に過ぎない。...ということに「西尾説」ではなるのでしょうね。

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