「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)10月21日
中国から巨額の不正資金が海外へ逃げ出している
四大銀行は中国人の金持ちからも見向きもされなくなった
中国人民銀行営業管理部編纂の「北京の内外商業銀行競争力比較調査研究報告」という機密文書が、いま北京の銀行業界トップに閲覧されているという。
このレポートは「外国資本が騰勢をみせる一方で、国有四大銀行が明確に劣勢にある」事実を克明に詳述しているというのだ。
総合競争力ランキングで、はやくも中国資本の銀行が上位から姿を消している。
直近の調査で北京におけるエクサレント・バンクの筆頭はチャータード銀行北京支店、二位はクレディリヨネ銀行北京支店、三位は華僑系の匯豊銀行北京支店、四位も同系、東亜銀行北京支店、五位がチェ−スマンハッタン北京支店、そして六位はシティバンク北京支店だった。
中国資本でトップは、ランキング13位につけた「招商銀行北京支店」、つぎに中国資本で顔をだすのは20位にでてくる「民生銀行北京管理部」。
なんと四大国有銀行は34位から37位までの最下位に並んだ。中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行の順だった。
四大銀行の貸し付けは全土で82%、北京でのシェアでも70%。
国際的競争力、経営ノウハウと蓄積、顧客の質、取締役の透明性と健全性などで、明らかに国有銀行は見劣りがする事実が浮かぶ。
(ここまでは、既報)
一方で「闇金融」の実態と海外へのキャピタルフライトの一端が明るみにでた。
日本同様に、ここでも「中国版」の禿げたかファンド、投機グループの存在がある。
口コミや幇(マフィア)のコネクションを通じて、米国から投資顧問が北京に派遣され、金持ちを集めた秘密のセミナーが開講されている。
とくに膨大な「裏収入」の共産党幹部、政府高官、国有企業トップらが、これらの顧客で、推薦される金融商品は「外国為替関連」、「米国株」。
無許可の「プライベートバンキング」も猖獗を極める。富裕層を顧客にして、最低投資額は50万ドル。
業務範囲は顧客の巨大な資産管理、買収合併の提案や指示、さらには顧客にかわって骨董品をオークションにかける。
中国はWTO加盟により、2006年末に外資金融機関に個人銀行の業務を開放することになる。その合法化が待てないのである。
中国国民の個人財産は蓄積されており、2003年第3四半期末時点で個人金融資産は35億元に達したとする統計もあるが、マッケンシー社によれば「10万ドル以上の預金がある中国家庭は120万戸」という。
また「The Asian Banker」(02年8月)によれば大都市居住の約25万人が185億ドルの外貨を保有し、北京、上海、広州、深セン在住の資産家で、全中国の外貨預金総額の60%を保有しているそうな。
(極めて「偏頗」)
拝金主義のつけは、こういう形でたまっていた。
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