(宮崎正弘氏のメルマガから)

(読者の声1)米議会が先週、立法し、ブッシュ大統領がサインした2004年北朝鮮人権法は凄い法律です。

この法律の核心は米議会による事実認定の部分にあると思います。多少、長くなりますが主だった条項を抄訳引用します。

◇    

(1)北朝鮮は金日正の絶対支配の独裁政権の下で多大な且深刻な人権侵害を続けている。

(略)

(7)北朝鮮政府は強制収容所で推定20万人の囚人を強制労働、打擲、拷問、処刑し、多くの囚人を病気、飢餓、屋外放置で殺している

(9)北朝鮮の官憲は刑務所内での出生を禁止し、強制中絶や新生児殺害を通常的措置としている

(11)北朝鮮政府による農業集中化政策の失敗や公共財の配分システムの欠陥のために1990年以降200万人以上の北朝鮮国民が餓死したと推定される。

(12)北朝鮮の10人の子供のほぼ1人は激しい栄養不良に苦しみ、10人の子供のうち4人は慢性的に栄養不良である。

(13)1995年以来、米国は主としてWFPを通じ北朝鮮に人道援助として2百万トン以上の食料を提供した。

(14)北朝鮮政府はこれら食料の適正分配を監視するために必要な現場視察、韓国語を話す者の採用、北朝鮮内の移動などを求めるWFPの要求を拒否し続けている

(略)

(16)中国に脱出した北朝鮮の女性や女子の多数が、誘拐や、花嫁・愛人としての人身売買、売春婦に落とし込まれる危険に曝されている。

(17)中国政府と北朝鮮政府は中国内に不法入国した北朝鮮人を北に強制送還し、彼らを拷問や収容所送り、時には処刑に遭う危険に曝す政策を強力に行っている

(18)難民の地位に関する1951年国連会議への中国共産党としての義務と、難民の地位に関する1967年議定書にもかかわらず、中国は、自国に庇護を求めてきた北朝鮮人を単なる`”経済的民” として事務的に処置し彼らを北に送還し深刻な迫害の脅威に直面させている

(略)

(24) 北朝鮮難民を受け入れる責任は南朝鮮政府に当然存するが、米国はこれら難民の苦境に国際的な関心を集めるべく、この深甚な人道問題のジレンマを国際的に解決すべく、多数の朝鮮人難民を確実に受け入れる賢明な処置をとらせるべく、指導的役割を担うものである。

◇    

他国への主権侵害となる法律ですが、その事実認定は実に堂々としています。

日本の国会はこれを追認する議員決議をすべきです。 日本が発議すべき【主権侵害】法です。

中北韓以外世界の何処の国もこれを難じたりはしないでしょう。
だから困ると害務省や国内親北勢力は大騒ぎするでしょうが・・・


堺屋太一氏はこのパックスアメリカーナ

(西部邁氏によると平和ではなく【アメリカによる平定】)を

13世紀の【パックス・モンゴリア】に比較して論じています。

圧倒的軍事力による大量報復戦略、多人種・多文化・多宗教を呑み込む無限の吸収力、国際収支の赤字の垂れ流しに通ずる交鈔(不換紙幣)本位制、世界概念のグローバルな発想性と流動性を持っている共通点がみられるという立論です。

面白い比較論ですが貴台はどう思われますか?
      (しなの六文銭)

(宮崎正弘のコメント)先日も或る会合で「中国語には“平和”という語彙はありません。あるのは“和平”です」という話をしたばかり。

「和平」の語源はPEACEです。これはPACIFY(平定する)です。要するに圧倒的軍事力が相手を平定し、そこに訪れる秩序が「和平」であって、日本の言う「平和」という概念は世界史では通用しません。

モンゴリアであれ、ブリタニカであれ、パックスの主体者とは、そういうものでしかなく、比喩としては境屋さんも西部さんも正しい、と思いますね。


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