(NNA)2004年10月26日 中国
保険会社の株式投資認可、600億市場へ[金融]

中国保険監督管理委員会(保監会)と中国証券監督管理委員会(証監会)は24日、保険会社が株式市場での資産運用を認める法律「保険機構投資者股票投資管理暫行弁法」を公布、同日から施行すると発表した。これまで保険会社が株式で資産を運用することは制限されており、今回の法律施行で中国で本格的な機関投資家が誕生することになる。約600億元の資金が株式市場に流入することをも意味しており、低迷する株式市場を大きく刺激することになりそうだ。25日付中国各紙が伝えた。
■ST株など7種類での運用は禁止

新弁法の特徴は、保険会社の株式投資への道を大きく開放すると同時に、資産運用方法については厳格に規定し、厳しく制限していく方針を示していることだ。

新弁法は株式投資の対象として、◇人民建ての一般株式◇転換社債◇保監会が指定するその他の投資関連商品―の3種類を開放すると規定(第11条)。一方、投資範囲と投資額については「保監会が定める規定内」(第23条)としている。25日付上海証券報は、「投資額については保険会社の前年度総資産の5%以内」と伝えており、投資リスクを最小限にとどめることを求めていることがうかがえる。さらに、1社の上場企業の株式取得は30%以下としている(13条)ほか、◇特別処理銘柄(ST株)などへの株式への投資(14条)◇過去1年間で100%以上株価が上昇している株式への投資(同)◇人為的に操作されている疑いのある株式投資(同)――など7種類の株式投資を明確に禁止している。

■総資産1.1兆元、マーケット刺激

これらの投資への制限は、機関投資家として保険会社を育成していくとともに、株式市場の混乱を極力避けたいという当局の警戒感の表れともいえそうだ。

保監会によると、8月末時点での中国国内の保険会社の総資産は1兆1,116億元。保険料収入は毎年前年比3割増の勢いで伸びており、今後、株式市場に流入する保険会社の資金は600億元近くに上るものと見られる。

■機関投資家として期待

中国の株式市場は90%以上が個人投資家といわれており、機関投資家としての保険会社の資金の流入がマーケットを刺激することは間違いない。

ただ、最近では、保険会社の資産の多くが積立型保険商品であることも指摘されている。新弁法の導入で各保険会社が利益を最優先にした資産運用を行い、リスクの高い株式への投資に走る可能性もある。新弁法の施行により、保険会社がどこまで機関投資家としての役割を担い、当局の監督・管理がどこまで厳格に行われるかに注目が集まっている。



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