(産経新聞 2004/10/28)
産経抄
■何という奇跡、何という発見か。地震発生以来行方不明だった車の母子のうち男の子が埋没現場から救出された。それとは対照的に暗い話だが、小欄はイラクの武装勢力の日本人拉致を書く。小泉首相が「自衛隊は撤退しない」と言明したのは当然だった。
▼とはいえ、国には国民の生命保護の義務と責任がある。救出に全力を傾注すべきこともまた当然だが、二十四歳のこの男性のイラク入りはボランティアのためなどではない。“何でも見てやろう”的漫遊の途上だったという。その無謀と軽率がやり切れないのである。
(54歳と50歳の両親は世代的に、小田実「なんでも見てやろう」にかぶれてたかも知れんなw)
▼この春、同じイラクで日本人誘拐があったが、世論が「退避勧告」を無視した「自己責任」の問題を取り上げたところ、一部マスコミは人質と家族の不当なバッシングだといって騒ぎ立てた。しかし見当違いもはなはだしい。
▼テロリストの要求をそのまま主張する家族が自覚も反省もない(今回も同じたぐいの人種らすぃw)ことに、世論は嫌悪感を覚えたのである。
「個」と「公」のけじめのなさと、それを情緒的にたれ流す新聞やテレビに、“ちょっと違うなあ”という違和感をもった、ただそれだけのことだったのだ。
▼この夏、戦乱のイラク取材にかかわったフリージャーナリスト勝谷誠彦(まさひこ)さんの行動基準というのをご紹介したことがある。それは「私は国家の『行くな』という意思に背いて、イラクへ出かけるのである。ならば何かが私の上に起きた時は、それなりの責任を自ら負うつもりである」と。
▼そして「万一の際は日本政府に多大の労力と血税を使わせたことをわびる」といっているのである。あっぱれジャーナリストの覚悟と根性というべきだ。すべての人がそうであれというのではないが、超危険地帯ではそれに近いものが要るだろう。
(殿下さま沸騰の日々)
(略)
国際テロ組織アルカイダの分派に捕まった香田証生氏(24)が物見遊山の旅の途中に捕まったのか。両親の言うように『心優しい彼が自分探しの旅の果てにとっつかまった』のか。あるいは何か政治的な主張をしようとしたのか。いずれにせよ間抜けであることには違いないが、わたしが存分に彼の行為や彼の行為の是非のことを語る前に(笑)、朝日と毎日には言っておかねばならないことがある。
過去の報道を見る限り、ザルカウィ率いるこの組織は外国人のしかも民間人を狙って拉致し殺害してきたプロ誘拐殺人集団である。首謀者であるザルカウィも当然、殺人者であり犯罪人である。少なくともわれわれの依って立つ規範や倫理では、この組織は極悪犯罪集団であり首謀者は極悪犯罪人なのである。たとえその規範や倫理が一種の擬制であってもである。
日本の民間人を誘拐し殺害を予告することで日本政府を脅迫する行為は、わが刑法上も告発の対象となるべき明白な『犯罪』であり、厳しく糾弾されるべき行為なのだ。
ならば、わが国の報道慣行上、ザルカウィは『ザルカウィ(呼び捨て)』または『ザルカウィ容疑者』でなければならない。
ところが、朝日と毎日はあろうことか『ザルカウィ氏』と敬称を付けてこの極悪犯罪人を呼称しているのだ。これはいったいどういう料簡か。確かに、アルカイダの内部基準(いや、朝日や毎日の内部基準か・笑)に照らせば彼が英雄だという議論はあるかもしれない(わたしは知らぬが)。だが、それは無辜の日本人を拉致した金正日が英雄かどうかという議論と同じこと。
このような議論の相対化はフェアなようでいて、その実、わが規範や倫理への冒涜である。
巧まずして朝日と毎日の本音が出たか。いずれザルカウィ擁護の記事でも書くつもりだろう。だが青年が殺害されてなお、どっちも擁護というわけにはいかないんじゃないの(蔑)。ま、せいぜい、ザルカウィ擁護と間抜け青年擁護の狭間で悶え苦しむがいい。
(勝谷誠彦の××な日々)
(略)
人質の第一印象として私が感じたのは「これはプロではないな」ということであった。
長髪で髭もなくてイラクをウロウロするなどというのは現地を知っている人間なら絶対にしないことだ。
目に力がなく自衛隊のことを「日本自衛隊」と言っている知識のなさから言っても自衛隊員や政府関係者はもとより報道関係者やNGO活動家でもないと感じた。もっとも「自称」はこの限りに非ず。
誘拐犯はサマワの自衛隊に関係する日本人だと言っていたがこれは絶対にあり得ない。サマワで日本人がいれば自衛隊は怒りつつも全力で保護するはずであるし現地で宿営地の外で自衛隊のサポートをしていたのは私がいた当時はイギリスのセキュリティ会社であった。
今後人質の正体が明らかにはなるだろうがそれが政府の決断を左右することがないのは確かだろう。
イラクは先日からラマダン(断食月w)に入り治安は極度に悪化していた。報道はもっともらしく「宗教的情熱が高揚して」などと書くが、なに腹が減ってイライラしているのである。
最後まで残っていたバグダッドの大手メディアも続々撤退を始めていたと聞く。そんなさなかに何を考えてイラクに入ったのか。
犯人がザルカウィ一派とすると前回の劣化ウラン坊やたちの解放に「奔走した」(嘲)ブローカーもといイスラム坊主たちの影響力はほんとど効かないと見ていい。
そもそもザルカウィ一派はイラク人ですらなくイラクの心ある人々にとっては憎むべきテロリストなのである。
今回もまたテロリストではなくレジスタンスだと言う馬鹿が出てくると思うので予めここに書いておく。
劣化ウラン坊やたちの時のいわば愚連隊と異なり彼らは国際的ネットワークを持ち情報収集もおそらく日本国政府より優秀だ。
この時期の誘拐は11月の米大統領選と12月の自衛隊駐留期限切れを睨んで絶妙のタイミングといっていい。
たとえ人質がどういう人間にしろ政府には自国民を救出する絶対的な義務がある。
その意味でこの時点でいきなり「自衛隊は撤退しない」と言った小泉さんの交渉力のなさは後に非難されることになるだろう。(これは真意不明)
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