あと4年でなんとかしてちょ。
2004年11月12日■【正論】杏林大学客員教授・田久保忠衛
貴重なブッシュ政権下の今後4年
日本が「普通の国」となる好機に
(略)
あと四年間のブッシュ第二次政権によって世界の秩序は形を整えていくと思う。
冷戦後に誕生したクリントン政権が無目的に費やした八年間の空白後に登場した第一次ブッシュ政権は、今世紀の敵を北アフリカ、中東、中央アジア、南アジア、東南アジア、朝鮮半島に至る巨大な「不安定の弧」に囲い込んだのである。
この地域でイスラム原理主義を唱えるテロリスト群が蠢(うごめ)き、大量破壊兵器の生産、移動が行われ、麻薬が取引される。
ここに軍事的には大規模なハブ基地(日本)、中規模の主要作戦基地(ドイツや韓国)、小規模で小回りの利く支援部隊が常駐する前線作戦基地、必要に応じて迅速な軍事行動を受け入れる安全保障協力基地の四種類の基地で対応する必要がある。第二次ブッシュ政権は、だからこそ世界的な米軍の再編成であるトランスフォーメーションを急いでいるのである。
≪現政権は強い日本を期待≫
軍の編成替えは国際秩序に少なからぬ影響を及ぼす。一九六九年にニクソン大統領はアジア全域から米地上戦闘部隊の撤兵を実行する旨のグアム・ドクトリンを発表した。ある高名な専門家が、このトランスフォーメーションの意味について、「米国の国際収支悪化を是正するための兵力合理化だ」などともっともらしい解釈を得々と述べていたが、見当違いも甚だしい。
ベトナム戦争は止めだ、とのシグナルを北京に送ったニクソン大統領は実際に訪中し、ベトナム戦争を終結し、米中対ソ連の対決の構図をつくり上げていった。この方向がレーガン路線に連結してソ連を崩壊へと誘導していった。虫の目では理解の範囲を超えている大きな潮流だ。
★私は第二次ブッシュ政権が推進しようとしているトランスフォーメーションに日本がいかに乗っていくか、それによって戦後の日本との決別に成功するか否かの歴史的な時間がこれからの四年間だと信じている。
★具体的には憲法改正、わけても
第九条の改正(2項削除)によって「普通の民主主義国家」が持つべき国軍保有の道を開くことにほかならない。
この主張が国内でどれだけの抵抗に遭うかはいやというほど体験してきた。
国際的には「日本軍国主義化論」だ。
(1)九〇年に沖縄駐留米海兵隊司令官が「ビンのフタ」論を述べた。在日米軍はフタでそれが外れると日本の軍事大国化の危険が生じるとの奇説である。
(2)このあとで中国から盛んに「日本軍事大国化」論が流された。
精神的にもひ弱な日本は立ち竦(すく)む。一歩も前に出られなかった。
(竹山道雄氏が書いていた(「昭和の精神史」だったか?)ように、「軍国主義」とは、普通の国家での【戦時体制】という非常時を大袈裟に言い換えただけとの整理が必要なんだろな)
が、ブッシュ政権は発足時から「強い日本」に期待をかけ、アーミテージ国務副長官は「憲法九条は日米同盟の妨げの一つになっている」と数カ月前に発言した。有り難いと思う。
≪狂瀾を既倒にめぐらそう≫(挽回しよう、とw)
日本の防衛政策を正常化する千載一遇の好機は七九年だった。
(1)「ソ連の軍事的脅威」に頭を悩ませていた中国のトウ小平氏は日本の防衛費が一%以下では低すぎると一再ならず公言していた。
(2)ソ連のアフガニスタン侵略直後に来日したブラウン米国務長官は日本に「着実で顕著な」防衛努力を迫った。
残念ながら日本に大政治家は存在せず、政官ともに米中両国からの外圧をどう防ぐかに腐心したのではなかったか。
関係者の罪万死に値すると憤慨するよりは、日本人の宿命的悲劇を感じる。
貴重な四年の好機が巡ってきた。ブッシュ政権を巻き込んで狂瀾(きょうらん)を既倒(きとう)にめぐらそうと計る大政治家の登場は望めないか。
北か支那頼みかな?
やっぱ魯鈍一発っ!が必要なんかなw
きょうらん きやう― 0 【狂▼瀾】
1 荒れ狂う大波。
2 ひどく荒れ乱れて手のほどこしようもない情勢。
狂瀾を既倒(きとう)に廻(めぐ)らす
〔韓愈「進学解」による。
砕けかけた大波をもとへ押し返す意〕
すっかり悪くなった形勢を、再びもとに回復させる。
敗勢を挽回(ばんかい)する。
回瀾を既倒に反(かえ)す。
狂瀾を既倒に反(かえ)す。
回瀾。
安倍たん、待望論かな?w
渤海湾方向に潜航 中国、関連性否定せず
中国海軍所属とみられる潜水艦が日本領海を侵犯し政府が海上警備行動を発令した事件で、海上自衛隊は11日夜も尖閣諸島北方の公海上を護衛艦2隻と搭載ヘリ、P3C哨戒機などで追尾を続けた。日本の領空外に設けた防空域の防空識別圏(ADIZ)まで追尾を続ける。
防衛庁は、探知したスクリュー音から中国海軍の「漢(ハン)級」原子力潜水艦とみており、同庁幹部は「中国の海軍基地がある渤海湾(旅順でしょw)に向かう可能性がある」との見通しを示した。
中国の曽慶紅・国家副主席は中国訪問中の橋本龍太郎元首相との会談で「関心を持って調査している」と述べ、中国の潜水艦である可能性を否定しなかった。
小泉純一郎首相は11日夕、記者団に「安全保障上の問題もある。あまりはっきり言わない方がいいということもある」と述べ、潜航したまま中国領海に入った場合は国籍の特定を見送る可能性を示唆した。
2004年11月12日金曜日
(産経抄)
■日本の領海(沖縄海域)を侵犯した潜水艦は中国海軍だそうだ。理由が何であれ、日本の平和と安全を脅かし、海洋資源がねらわれようとした。
それをどうだ? 細田官房長官をはじめ政府の対応は“はれものに触る”ようではないか。
▼これでは国民は安心していられない。
逆に、日本の潜水艦が中国領海に入りこんだとすれば、たちまちドカンと爆雷などを食らった?
少なくともただではすんでいない。
侵犯艦は攻撃^原潜だそうで、その建造も日本の対中ODA(政府開発援助)の金と無縁ではないかもしれない。
▼潜水艦はすたこらさっさと逃げ、中国は知らぬ・存ぜぬ、たぶんこれからも“知らぬ顔の半兵衛”だろう。
かの国には「三十六計逃げるにしかず」の故事があるが、案外、逃げたふりをして日本の対応をさぐっているのではないか。
(略)
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