「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成16年(2004)11月18日

四川省漢源ダム農民暴動とかけてNYロングアイランドの豪華別荘と解く
「その心は?」  李鵬一族の水利ダム利権

悪名高い汚職の巣窟=太子党の象徴はトウ小平の次男、質方と李鵬の息子、李小鵬である。

ハイドロ工学をおさめ、水力発電なら何でも首を突っ込む李鵬(前全人代委員長)一族は、汚職の元締め、中国官憲ビジネスの腐敗の源泉といわれる。

香港と深せんの株式市場でインサイダー取引があればトウ一家と李一家の黒幕説が必ず出てくる。

大がかりな不動産取引にも顔を出すのがトウ質方。かれは現在広東省珠海に逼塞中といわれる。

李小鵬は一時スキャンダルが凄まじく米国に雲隠れしていたが、NYロングアイランドに豪華な別荘を構えていた。

さて、四川省漢源の水力発電建設現場で起きた暴動だが、成都軍区が人民解放軍の正規軍一個師団を投入して鎮圧、治安を強圧的に恢復させ、現在、補償費用の増額などを農民と話し合っている。

これは共産党の常套手段で、治安さえ回復すれば約束事はすべて反故になり、農民指導者はいつのまにかデッチあげの罪を着せられて逮捕される。 

補償費用が低いだけではない。地方幹部のピンハネ、幽霊戸籍偽造による立ち退き料の二重取りは常識の世界である。

それならば、もっと上級の幹部は何をしているか。

「セメントやら建築材料、建機などの誤魔化しによって国有電力会社から消えた金額は45億元、関連企業への「融資」などの名目で流用されて戻らない金額が30億元、国有企業の定款にない対外投資、借款が15億元、加えて工事の損出、修繕など完成までに消えていくカネが33億元」(林保華『自由アジア』所載論文、11月11日付け)。

胡錦濤は「柔らかく農民に対処せよ、しかし暴動指導者は逮捕せよ」と命ずる一方で、「漢源ダム工事は強固な意志で続行する」と言明している。

党中央は、四川省の暴動を「10・27不明真相的移民大規模聚集事件」と命名し、煽動した指導者いがい、一般群衆の罪を問わないとした。

権力と政商が利益をもとめて展開した手抜き工事、立ち退く農民を放置した結果、引き起こされた抗議なのに、かれら真犯人の責任は一切問われないのだ。


支那共産党という「一族支配」のもと、行政も司法も取り込まれてる前世紀の「王朝支配形式」だからだろうな。

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