前述したように、本報告書ではミサイル攻撃など緊急事態への対応として、総理権限の強化などの必要性を述べ、さらに、内閣官房が充分な企画立案機能や危機対処機能を有する必要性も強調している。
緊急事態に際しては、政治の中枢、なかんずく総理官邸の機能強化は不可欠だ。
同じ問題意識から前述・★自民党提言は、総理の補佐機能強化として防衛庁出身の総理秘書官、自衛官の副官の設置、また統合幕僚長の助言機能等をあげた。
統幕長については、安保会議への常時出席を法律上明記することも提言している。
(こんなこと当たり前だと思うが、実際はなされていないということで、こっちのほうが驚くよな。安全保障会議に軍の責任者が原則は出席してない。要請がないと出席できない現状w。軍事素人の議論だ煮詰まって行き詰まった段階で呼ばれるのか?w)
緊急事態に際して、軍事専門家の知見を活用するのは当然だ。ましてや、官邸スタッフは諸官庁出向組の寄せ集めなのである。
★ところが、本報告書にはその視点がごっそりと欠けているのだ。
同じ項で、報告書はシビリアンコントロール(文民統制)の重要性を強調している。
しかし、今日、問題になっているのは、防衛政策の根幹を損ないかねない【過度な制服組排除のシステム】なのである。
(麻生幾が散々書いてるよなw)
★総理官邸に軍事専門家が少ないことだけでなく、防衛庁においても、長官を補佐する防衛参事官が内局(背広組)幹部のみで占められている点、また内局と自衛官の役割分担の見直しが課題になっているのだ。
★シビリアンコントロールとは、背広組の事務官が制服に対して優越することではない。
政治による軍事の統制、即ち選挙で選ばれた政治家の決断が軍人に優越することを意味しているのである。
(コレでは「文民」統制ではなくて「文官」支配だろw)
くわえて、これまたかねてよりの懸案、防衛庁の省昇格問題はどうか。
安全保障会議の機能強化の項のなかで、「国防組織のあり方については…諸外国の例なども参考としながら議論していくべきである」と極めて遠まわしに触れているだけである。
あの任務、この任務と仕事だけはたっぷり押し付けているくせに、ずいぶんトボケた話だ。
★集団的自衛権について、自民党提言は、「日米安保体制の実効的対応の確保や国連の集団安全保障への参加等広範な国際協力の途を切り開くことが必要となってきており、集団的自衛権の行使を可能としなければならない状況にきている」とし、
そのためには、「★憲法改正、政府の解釈変更、新たな法律の制定による合憲の範囲の明確化、国会の決議等が考えられる」と選択肢まで提示した。
(手っ取り早いのは、首相指示の内閣法制局の解釈変更だな)
この問題について本報告書は、付言「更に検討を進めるべき課題−憲法問題」のなかで、こう述べている。
「個別国家の持つ集団的自衛権の問題と国連が行なうPKOや集団的措置の問題はそれぞれ別個のものとして整理して論ずべきとの意見もあった」
「集団的自衛権の行使に関連して議論されるような活動のうち、わが国としてどのようなものの必要性が高いのか、現行憲法の枠内でw(いつのも逃げだな)それらがどこまで許容されるのか等を明らかにするよう議論を深め、早期に整理すべき」
ひとつの前進ではある。しかし、どうやら限定行使の線を考えているようだ。“整理”の結果、限定が過ぎると、流動し変化する国際安全保障環境に、またしてもついていけない事態になりかねない。
★そもそも今日の国際社会では、国家に対して等しく個別的自衛権と集団的自衛権が付与されているにもかかわらず、「集団的自衛権を保有しているが、行使は憲法上、許されない」という【妙な解釈】を政府が従来してきたのである。
行使する状況をあらかじめ限定するのではなく、いつ、いかなる時に行使するかは、主権国家としての選択、判断によるとするのが、本来の姿(だし世界の常識)ではあるまいか。
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