【正論】教育の地方分権化が馴れ合い行政防ぐ
三位一体改革の根本思想に疑念

政治評論家・屋山太郎 

≪道州制導入が最終目標に≫

三位一体改革の全体像が決まった。

〇五、〇六両年度の補助金削減額は総額三兆円程度とし、義務教育費国庫負担金など二兆八千三百八十億円の削減を具体的に明記した。

この補助金削減に対応する税源移譲額を二兆四千百六十億円とすることも決まった。

全国知事会など地方六団体が求めた補助金三兆二千億円の削減目標からすると、四千億円及ばなかったわけだが、このさい、額の不足は問わない。内容を吟味すると、これでは三位一体とは何だったのか。その根本思想を疑わざるを得ない。

地方分権を推進するために、中央政府が握っている補助金を地方に移譲して、地方に自由に使わせる。

痴呆ボスの弊害は?w

ある場所で必要不可欠な補助金でも、他の場所では必要度が低いことが多い。そこではその金を別の用途に使う。

三百諸侯の時代はそれぞれの藩が独自の文化をはぐくんだ。明治になって近代化のために強力な中央集権を敷いたが、それを少しずつ昔の姿に戻していこうというのが地方分権の出発点だった。

市町村合併を進めているのも、地方文化のまとまりを大きくしていって、いずれは道州制につなげるためだったはずだ。

≪“族議員”は官僚の手先か≫

以上の発想から補助金二兆八千億円の中身を見るとまったく意味のないものがある。

国民健康保険の国庫負担分九千三百四十億円を削り、七千八百五十億円分の税源を移譲する。国保の費用は増加の一方であり、地方がその財源をもらっても、他に使う余地はない。

しかも、税源移譲は削った補助金より千五百億円少ない。

こういうやり方を見ると、中央官僚は地方分権の考え方をまったく理解していないとしか思えない。情けなかったのは、国会議員が官僚の手先となって“族議員”と化し、改革の重要性をまったく理解していなかったことだ。

その無理解を象徴しているのが義務教育費国庫負担金八千五百億円である。この負担は義務教育教員の人件費五兆円のうち、半額の二兆五千億円を国が持つ制度だ。

このうち中学校教員分が八千五百億円で、知事会はこれを二年間でゼロにし、その分を税源移譲する案を出した。

これをめぐって、文部科学省、文教族が猛反発した。それに便乗した自民党内の不満分子が加わって、あわや政局になるかと思わせる雰囲気になった。

そこで首相側も知事会側も折れて、「八千五百億円分を二年間で削るが、どう削るかは〇五年秋の中央教育審議会の答申が出るのを待つ」ということになった。

中教審は今年春に「国庫負担金制度を堅持する」旨の中間報告を出したから、〇五年秋まで待っても「廃止する」との結論は期待できない。

もともと中教審というのは数ある役所の審議会同様、文科省官僚の隠れみのにすぎず、画期的な教育行政の転換など期待すべくもない。

一方で政府は一九九九年に地方分権一括法を成立させ、国と地方の関係を見直した。

にもかかわらず、文科省や文教族が国庫負担金制度の存続に固執するのは、国が金を握っているからこそ、地方に口が出せる。地方に教育行政、特に義務教育行政を任せたら大変だと考えているからだ。

しかし、この考え方は根本的に間違っている。現に国が教員給与の半分を握っているのに、地方の教育行政は日教組に操られているがごときありさまで、偏向教育の例はあとを絶たないではないか。

≪教師にも能力給の導入を≫

最近、産経新聞が連続して報道している山梨県教組の政治活動の例は、国庫負担金制度など、教育の正常化に何の効き目もないことを物語っている。

日教組が県当局や教育長、教員人事にまで発言力を持っている同様の県は多い。兵庫県、静岡県しかりである。ではどうすればいいか。

長い間悩んできたが、東京都の石原慎太郎知事が範を示して、明瞭な解決案を編み出した。

国は指導要領を作成して、地方団体がそれに従う。それだけでいい。

知事は指導要領にあくまでも反対する教師を排除する。教育の正常化は、知事の力によって十分に果たせる


このことを石原知事は証明した。知事の威令さえ行き渡れば、現状でも教員の給与は総額裁量制によって、相当に変動させることが可能だ。

教師の能力を評価して、給与に差をつける方式の導入を提案したい。

教育の地方分権を断行したほうが、現状の文科省と日教組の馴れ合いよりは、確実に良くなると知るべきだ
(ややま たろう)


う〜ん、そりゃ知事に適材得た大前提であって、長野の田中ベログリ知事とかじゃエロ教員増えちゃいそうだし、沖縄なんかじゃ左巻き大集合になっちまわんですか?w

どうも一時の気まぐれで4年任せるてな「直接民主制」で選出された「首長性知事」ってのがひっかかるんだなぁ。「

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