対北経済制裁
自民・全面、段階の2案/政府・「暴発」恐れ及び腰
北朝鮮に対する経済制裁の具体的内容はどのようなものが想定され、効果はあるのか。自民党の「対北朝鮮経済制裁シミュレーションチーム」がまとめた案をもとにして、制裁の実現性と、慎重姿勢を崩さない日本政府の事情を探った。
■15項目の措置
北朝鮮にとって日本は中国、韓国に次ぐ第三位の貿易相手国。平成十五年の両国間の貿易総額は三百八億円で、全体の8・5%を占める。
北朝鮮から日本への輸出品はアサリ、カニなどの魚介類が約半分を占め、男性用スーツやコートなどの衣類、電気機器と続く。日本からの輸出品は貨物自動車などの輸送用機器が約四割を占め、織物用糸や繊維用品、電気機器などとなっている。
一方、昨年度の日本から北朝鮮への送金は約一億一千万円。
渡航者の持ち出した金額は計二十五億七千六百万円に上っている。
渡航者は貨客船「万景峰92」を利用して日朝間を往来するが、万景峰92は今年、十六回日本に入港。北朝鮮籍船の日本への入港回数は、国土交通省の船体安全検査「ポートステートコントロール(PSC)」の運用が厳格化されたことによって、昨年は九百九十二隻と、前年の千三百四十四隻を大幅に下回った。
シミュレーションチームは、こうした北の現状を踏まえ、さきの通常国会で成立した「改正外為法」「特定船舶入港禁止特別措置法」を適用した制裁案を策定。
「貿易の停止」「送金・携帯輸出の禁止」「船舶の入港禁止」の三分野に加え、人道支援の凍結・延期も含めた計十五項目の制裁措置をまとめた。
制裁案は、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に対する厳格な対応から、送金の報告義務などを経て、最終的に船舶の全面入港禁止とするものと、逆に<font color=red>全面的制裁から段階的解除とする、二パターンを想定している。
制裁発動にあたっては、改正外為法の主務大臣は財務相と経済産業相で、特定船舶入港禁止特別措置法は内閣官房、国土交通相、外相などと複数にまたがる。
関係閣僚会議で制裁内容を細かく詰めたうえで、閣議に諮る段取りだ。
■なぜ慎重姿勢
こうした自民党の動きに対し、政府が北朝鮮への経済制裁に踏み切れずにいるのは、北朝鮮の対抗措置を読み切れないためだ。制裁発動で対立が激化すれば北朝鮮が暴発し、ミサイル発射実験などの軍事的行動に打って出かねないとの懸念がある。
(何のための「自衛隊」+「日米安保」w)
小泉純一郎首相には、制裁を発動すれば、日朝平壌宣言が白紙となり、自らレールを敷いた関係改善への道筋が絶たれるとの危惧もあるとみられる。
(ノーベル平和賞?w)
核開発問題を話し合う六カ国協議への不参加の口実にしてくる可能性があるほか、(1)北朝鮮に住む拉致被害者の身辺に危害が及ぶ(2)北朝鮮が約束した安否不明者十人に関する調査を打ち切り、拉致問題解決の道筋が絶たれる−ことも想定している。
不明者の安否は、小泉首相が進める対北朝鮮外交で「世論の理解を得るための生命線」(首相周辺)。首相が横田めぐみさんの「遺骨」が別人と鑑定された直後に「(北朝鮮との)交渉は続けていかなければならない」と述べたのも、「安否不明者についてできるだけ事実に即した情報を取りたいからだ」(政府筋)という。
政府・与党内には制裁を発動した場合、北朝鮮の「譲歩」ではなく「反発」を招くとの見方が根強い。
外務省幹部は九日、「制裁しても北朝鮮は謝らない。暴発するだけだ」と指摘。暴発に至らなくても、日本との貿易が減少した分、北朝鮮の貿易が中国、韓国によりシフトして単独制裁が骨抜きになる可能性がある。
細田博之官房長官は同日、制裁などの実力行使は「(日朝関係に)非常に大きな影響がありうる」として懸念を表明した。
(バカだねぇw)
しかし、政府が今回の調査の核心部分と位置づけていためぐみさんの「遺骨」が偽物だったことで、対話だけで事態が進展しないこともはっきりした。
北朝鮮側の出方を読めないままで「対話」ばかり強調してきた政府外交のツケが厳しく問われつつある。
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