台湾立法院選挙報告
2004年12月14日(宮崎正弘氏メルマガ)
(略)
選挙はまことに残念な結果になりましたが、本番は3年後の総統選挙とそれに続く立法院選挙だと考えます。
今の選挙で勝ってもいいのですが、2006年の独立宣言では北京オリンピックまでに年数がありすぎて、武力介入をしてくる可能性もあります。2007年の暮れから翌春の総統選挙後なら五輪直前で動けないでしょうから、と(理由をつけて)慰めています。
(HS生、豊橋)
(略)
(読者の声2)987号で台湾選挙報告の簡潔な文章のなかに「或る選挙プロ曰く『今度は与党が負けてよかった。なぜならこれで2008年総統は野党が負けるから』と冗談ともつかない分析」と書かれておりますが、私も個人的には与党が過半に達せず、よかったと思っています。
得票率が伸びていれば、与党が候補者を乱立していなければ、中選挙区に対応した戦術をとっていれば、と反省はいろいろあるでしょう。
台湾にとって大事なのは米との関係です。陳水扁氏を批判するのに「英語が満足に話せない」というものがあります。陳総統の本当の英語力は知りませんが、陳総統になってからの米台関係はしっくりいかずギクシャクとしています。
対米関係をうまくやってくれという声が台湾内部から挙がっています。議会で過半数をとっていたら陳流唯我独尊政策をとり続け、米の反感を呼ぶことになったでしょうから、これでちょうどいいのです。中国に対するに、米の力を頼むことが上策、必策です。米との親密化を図ってほしいものです。
(NH生、丸の内)
(宮崎正弘のコメント)宮沢喜一元首相は英語をパーフェクトに操りますが、日米関係は宮沢政権で劇的に好転したことはなかった。
中曽根さんのように普通の英語力でも、ロンヤス関係は築けた。陳水扁が「英語を喋れる、喋れない」が、台湾で問題になるのは、立方委員の大半が米国帰り、しかも博士号保持者ですから、かれらの優越感、名状しがたい「エリート意識」からの批判で、それは庶民に対していかほどの効果もありません。
問題は後節です。かれ(陳水扁現総統)の独走と迷走が問題なのです。
ものいわぬ大衆の直感は、やはり対米関係がぎくしゃくし始めたことへの恐れ、その心理的な、なにものかが消極的な独立支援組を棄権させてしまった。
(昨日の太田氏は「青の棄権」。今日の宮崎氏は「緑」の棄権と分かれるがw)
予想投票率から6%も、実際の投票率は下降し、組織力の国民党が議席を確保できた、というのが真相に近いでしょうね。
米国務長官が今度はライス氏だから、格段にやり易くなるかなw
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